世界の民族文化

世界の民族や文化について

日本の民族~アイヌ民族 その2

前章では、日本の民族の中で、アイヌ民族についての基礎をまとめてみました。
ひきつづき、アイヌ民族について見ていきたいと思います。

アイヌ民族についての歴史は、明らかになっていないところがあり、まだ研究の余地が大きい分野でもあります。

本州で弥生文化が発展する中、アイヌの地では縄文文化が独自に継続し、発展をしていきました。
弥生文化では権力者が生まれ、国が作られるという、大きな文化の変わり目を迎えていました。
やがて、本州では大和朝廷への統一が行われるようになります。

その頃、アイヌでも弥生文化の影響を受けてはいましたが、社会のしくみは縄文文化の様式を保っていました。
それは自然との共生を行う中、狩猟や漁労によって食を営み、続縄文文化が継続していきます。

7世紀頃になると、アイヌの地でも律令国家・大和朝廷の影響を受け、擦文文化といわれる新たな文化が誕生するようになります。
これにオホーツク文化といわれる北からの影響を受けながらも、13世紀頃までこの文化様式を継続させていきます。

14世紀に入り室町時代の頃になると、アイヌ文化として確立するようになります。
しかし、15世紀になると北海道南部に和人の勢力が強化され、アイヌ民族との衝突が起こるようになります。

そして、18世紀まで大きな戦いをくり返し、1789年のクナシリ・メナシの戦いによって、アイヌ民族は和人の支配下に置かれるようになりました。

その後、和人による侵略と搾取に遭い、これまでの独自の文化様式が廃止されるようになりました。
また、厳しい差別も行われるようになります。

そして、現在においてもアイヌ民族に対する先住権は未だに認められておらず、日本全体のとっての大きな課題がまだまだ残されています。